―因子分析的研究を通して―
東 北 太 郎
宮城県南東北高等学校
要旨
本研究は,英語学習において生徒がどのようなノートテイキング方略を使用しているかを明らかにし・・・更に被調査者を上位群と下位群に分け,習熟度により生徒のノートテイキング方略使用にどのような差が見られるかを調査した。
1. はじめに
外国語を学習する際,生徒は様々な学習方略を使用している。数多い学習方略の中でノートテイキングが,生徒によって頻繁に活用されている方略であることは,言うまでもない。中学校や高校で英語を指導していると,生徒が様々な形式でノートをとっていることに気づく。 ・・・ 実践的コミュニケーション能力の伸長と,基礎基本の充実が叫ばれている現在の学校現場における英語指導を考えていくための示唆を得たいと考える。
2.本研究の背景
Bialystok (1979) が,第二言語習得のモデルの中に学習方略を位置づけてから,これに関して多くの研究がなされてきた。Oxford (1990) は “learning strategies are specific actions taken by the learner to make learning easier, faster, more enjoyable, more self - directed, more effective, and more transferrable to new situation.” と学習方略を定義づけた。 ・・・ また,ノートテイキングは学習者が,自分自身のために行う活動であるために「個人差(または多様性)」を許容すべきである(達川, 1998)との主張もある。
本研究ではノートテイキング方略の行動面に注目し,広義に「学習者が学習のために何かを書くこと」をその定義としたい。 ・・・ これらを通して,学校現場におけるより良い英語指導のための示唆を得ていきたい。
3. 調査
3.1予備調査1
ノートテイキング方略の産出物であるノートを観察することを通して,生徒がどのような方略を使用しているかを調査する。 ・・・・ 被調査者は宮城県仙台東高等学校の普通科1年生80名であり,調査者によって英語Ⅰを指導されている。予備調査の結果か
3.2予備調査2
ノートテイキング方略の産出物であるノートを観察することを通して,・・・・ 被調査者は宮城県仙台東高等学校の普通科1年生80名であり,調査者によって英語Ⅰを指導されている。予備調査の結果か
5.まとめ
最近の英語教育を取り巻く状況は厳しく,「実践的コミュニケーション能力の伸長」と「基礎基本の充実」の両立が叫ばれている。生徒はコミュニケーション活動に取り組むと共に確かな学力につながる学習にも取り組む必要がある。
中学校に入学して以来,生徒は様々な形でノートテイキングを行ないながら,英語の学習を続けてきた。 ・・・ ここで得られた結果を参考に,今後も学校現場における効果的な英語指導の方法を模索していきたい。
参考文献
Bialystok, E. (1978). A Theoretical Model of Second Language Learning. Language
Learning, 28, 69-83.
Ellis, R. (1995). The study of second language acquisition. Oxford: Oxford University Press.
田中敏・山際勇一郎 1989 ユーザーのための教育・心理統計と実験計画法 教育
出版
田中敏 1996 実践心理データ解析 新曜社